砂浜に描いたうたかたの夢

「お上品で綺麗な人なんだね〜」

「そうだね……って、俺のことそんな風に思ってたの?」

「あっ、バレた?」



えへへと笑ってみせるも、ジト目で見ている。

女顔なの、気にしてるのかな。でも、そういう凪くんこそ人のこと言えないんだからね!



「まぁいいや。それより、ここにも何か描くの?」

「うん。でも、まだ何描くか決めてない」




次に彼が指を差したのは、曾祖母の隣の真っ白な部分。


枠や罫線が印刷された日記帳とは違い、これは無地のノート。

絵を描く部分や日記部分を多くしたり、枠を作ったりと、自分の思うままに作ることができる。


しかし、毎回罫線を引くのが面倒だったため、枠までは作らず。その結果、絵を描く部分が多くなってしまった。

1つだけ描くほうが楽っちゃ楽。反面、手を抜くと目立ちやすい。


毎日何個もネタを考えるのは大変だけど、複数の絵だとサイズも小さくなり、多少適当に描いても誤魔化せる。

他の宿題もあるから、あまり時間をかけたくないんだ。



「……そういえば、まだ凪くんは描いてなかったよね」