砂浜に描いたうたかたの夢

小学生の言うことなんて、たかが知れるだろうと、当時は軽く捉えていたそうなのだけれど、曾祖母が本気にしてしまい、猛アタック。

毎日のようにアプローチしたのだそう。



「一途だったんですね」

「ええ。本当は両想いだったんだけど、ひいおじいちゃん、なかなか素直になれなくてね。毎回あしらってたそうなの」

「ええっ⁉ じゃあどうやって結婚までこぎつけたんですか⁉」

「見かねた家族が『貰ってください』って、頭を下げに行ったんだって」



およそ10年に渡って愛を伝え続けた曾祖母。
健気な姿と一途な想いに、両親だけでなく、家族全員の心が動いた。

その光景を見た曾祖父の家族も、『自分の気持ちに正直になれ』と、曾祖父の背中を押して……めでたく婚約。

トントン拍子で事が進み、曾祖母の18歳の誕生日に結婚したという。


ひいおじいちゃんの男気もすごいけど、10年も同じ人に想いを寄せ続けたひいおばあちゃんもすごいな……。

もはや一途な愛で結ばれたというより、執念で押しきったんだなと感じるよ。



「今も鮮明に覚えてるくらいラブラブだったのか〜。だから子だくさ……」