砂浜に描いたうたかたの夢

私一人では手に負えず、助けを求めた。

しかし……。



「それでもたーくんは、私のことを……」



話し続ける曾祖母を見た途端、伯母の目が今まで見たことがないくらい大きく開かれた。言葉を発することもなく、呆然と立ち尽くしている。

やはり尋ねてはいけなかったのか……と思ったその時。



「とうとう聞いてしまったのね……」







「幼なじみ?」

「そう。家が近所で、毎日一緒に遊んでたんだって」



居間に全員集まり、伯母の声に耳を傾ける。



「『傍にいたのになんで注意しなかったんだ! まだ嫁入り前なのに!』ってお父さんが怒って、それにタダシさんが、『僕が責任を取ります!』って答えたんだよね?」

「あぁ、そうだよ。本当にかっこよかった」



曾祖母に優しく語りかけて確認する伯母。


たーくんの正体はタダシ。曾祖母の夫で、私の曾祖父だった。


説明によると、怪我した曾祖母を家まで送り届けた曾祖父が高祖父に……曾祖母の父に怒られて、そのはずみで嫁にもらう宣言をしたとのこと。