昨日も訂正したのに、また間違えるなんて……。
でも、しょうがないよね。
祖父母の年代を考えると、年齢は恐らく90代後半。会話はできるとしても、物覚えが悪いのなら認知症になっているのかもしれない。
長年会ってなかったから、記憶が薄れるのは仕方のないこと。私だってあまり覚えてなかった。
……とはいえ、さすがに3回目は、ちょっとショックだな。
貼るのに手こずっていたので、補助することに。色素が抜けた白い前髪をそっと上げる。
あっ、これ……。
額にうっすら残る傷痕に視線を奪われた。
腰が曲がった姿やしわしわの手と同様、この傷痕もなんとなく記憶にある。
『ねぇねぇ、おでこについてるのなあに?』
『ん? あぁこれかい?』
……思い出した。
今みたいに、冷却シートを貼るお手伝いをしてて、ふと気になって聞いたんだ。
だけど……。
『こらっ! 一花!』
その直後にお父さんから怒号が飛んできて。いきなりだったから怖くてわんわん泣いたんだった。
芋づる式のように次々と記憶が甦る。
確か後で理由を聞いたはずなんだけど、ダメの一点張りで。他の人達に聞いても教えてもらえなくて、それでまた泣いたんだっけ。
でも、しょうがないよね。
祖父母の年代を考えると、年齢は恐らく90代後半。会話はできるとしても、物覚えが悪いのなら認知症になっているのかもしれない。
長年会ってなかったから、記憶が薄れるのは仕方のないこと。私だってあまり覚えてなかった。
……とはいえ、さすがに3回目は、ちょっとショックだな。
貼るのに手こずっていたので、補助することに。色素が抜けた白い前髪をそっと上げる。
あっ、これ……。
額にうっすら残る傷痕に視線を奪われた。
腰が曲がった姿やしわしわの手と同様、この傷痕もなんとなく記憶にある。
『ねぇねぇ、おでこについてるのなあに?』
『ん? あぁこれかい?』
……思い出した。
今みたいに、冷却シートを貼るお手伝いをしてて、ふと気になって聞いたんだ。
だけど……。
『こらっ! 一花!』
その直後にお父さんから怒号が飛んできて。いきなりだったから怖くてわんわん泣いたんだった。
芋づる式のように次々と記憶が甦る。
確か後で理由を聞いたはずなんだけど、ダメの一点張りで。他の人達に聞いても教えてもらえなくて、それでまた泣いたんだっけ。



