砂浜に描いたうたかたの夢

「綺麗な顔と性格の良さに免じて許すけど、ちょっとテスト多すぎです!」

「特にこないだやった予告なしの小テスト! マジ怖かった!」

「俺ら後輩なんだから、もう少し優しくしてくださいよぉ」



容赦なく率直な意見をぶつけられて、苦笑いしているかわちゃん。


艶々の黒髪と知的な雰囲気に端正な顔立ち。

入学当初は、『イケメン教師!』『目の保養!』なんて盛り上がっていたけれど、それは最初の1ヶ月だけ。

毎日の宿題と小テストに疲弊して、みんな徐々におとなしくなっていった。

そんな中、先週、予告なしでテストした時は大ブーイングだったな。



「明日からの夏休み、くれぐれも、羽目を外しすぎないように。節度を守って楽しんでください」

「「はーい」」



ぼんやりと回想していると、あっという間に終わりの時間に。
委員長の号令に合わせて席を立ち、「さようなら」と挨拶をした。

えーと、まずご飯食べて、少し休憩したら宿題の計画立て直して……。



「……かわっ、松川っ!」