砂浜に描いたうたかたの夢

それに加えて性格も、竹を割ったようにサバサバしている。

本当はガツンと物申してやりたかったけど、そうするとお母さんの何倍もの剣幕で返されてしまう。それこそ近所迷惑だ。


夜じゃなかったら遠慮なく言い返してたのに! 

湧き上がってきた悔しさをジュースと一緒にのどの奥へ流し込んだ。







「みんな席着いてー。ホームルーム始めるぞー」



学期末の大掃除終了後。綺麗になった教室の教卓で、担任の先生が呼びかける。

その声に返答するように、クラスメイト達が次々と着席した。



「皆さん、1学期お疲れ様でした。入学から数ヶ月経ちましたが、高校生活には慣れましたか?」

「いいえ! 全然! かわちゃん厳しいもん!」

「慣れるどころか疲れてます!」



教室のあちこちから上がる否定の声。自分もうんうんと頷き、彼らに同意した。


かわちゃんこと河原先生は、眼鏡と真っ白なシャツが定番スタイルの数学教師。

この学校の卒業生でもあり、他の先生より年齢も比較的近いため、親しみを込めてあだ名で呼ばれている。