砂浜に描いたうたかたの夢

枯れ葉が散らばる土の道を、一歩一歩感触を確かめて進んでいく。


田舎の山といえば、鹿とか猪とかの野生動物が住み着いていて、気軽に立ち入れない印象がある。

けど……ここはそういう危険を示す看板が一切立っておらず、生き物が住み着いているとは到底思えないくらい静か。


響くのは枯れ葉を踏みしめる私達の足音だけで、まだ昼前なのに、すごく不気味に感じる。



「そういえばさ、さっきの自己紹介、『お友達をやらせていただいております』って何。シンプルに『友達です』で良かったのに」

「だって、画面越しでしか会話したことなかったから。それに……推しを友達って言っていいのかなって」

「え、俺、推しなの?」

「そうだよ! 中2の頃からずっと推してる! 今年の夏で2年を迎える古参ファンなんだからっ」

「うわぁ、古参アピールって。地雷のにおいがプンプンするなー」



前を歩く彼の肩が小刻みに揺れている。

顔は見えないものの、ふふふと笑い声が漏れていて。どんな表情をしているのか大体想像がつく。



「もう! 失礼だなぁ! これでも一応、ネットリテラシーは勉強してるんだからね⁉」

「ごめん、冗談だよ。応援してくれてありがとね」