「おばあちゃん、これはどこに入れるの?」

「ん? あぁ、その大きい器なら1番下」

「ええ? 下? どこ?」

「奥。ちょっと見えづらいけど、同じのが重ねてあるから」

「あぁ! あったあった!」



家族全員がお腹を満たした、午前7時50分。
現在台所で、食器を洗う祖母と伯母のお手伝いをしている。

棚の引き出しを全開にして、胸に抱えた大きめの器を1つずつ丁寧にしまう。



「この1週間、一花ちゃんには沢山お世話になったわね〜」

「確かに。お母さんが言った通り百人力だったね」



流し台でひたすらお皿を洗ってはすすぐ祖母と伯母。その後ろで私は顔をにやにやさせながら、作業台に積まれていくお皿を布巾で拭いて棚に戻す。


帰省してから、毎日のように感謝の言葉と褒め言葉をもらった。

それだけでも充分嬉しいのに、アイスをはじめ、大好物が大量に入ったオードブルまでも買ってくれた。


お手伝いしている者の特権なのだろうけど、私にとって料理は大好きなことだから全然苦ではなかった。