苦しい言い訳を考えていると、波が打ち寄せてきて足元と相合傘を覆った。
「……もう1回っ!」
波が引いて凹凸がなくなった砂浜を再度枝でなぞる。
今日のネタは得ているから絵日記には描かないし、もちろん日記にも書くつもりはない。
だけど……せめて写真には残したい。
「あっ! くそぉ、もう1回!」
懲りずに何度も書き直す私は、傍から見たら恋愛成就のおまじないに必死になっている痛い奴なのだろう。
でもそんなことは気にせず果敢に挑み続ける。
「よし! できた!」
描いては消えてを繰り返すこと5回。ようやく完成した。急いでリュックサックを開けてスマホを取り出す。
「ただいまー」
電源ボタンを押した直後、後方で凪くんの声が聞こえた。
「ごめん、枝なかった」
「あっ、そう?」
やばいやばいやばい。このままじゃ見つかる。
首だけ振り向いて返事をし、急いでカメラアプリを開いてピントを合わせる。
しかし……。
「ああっ!」
シャッターボタンを押す前に波が来てしまい、またなめらかな砂浜に戻ってしまった。
そんなぁ、あとちょっとだったのに……。
「……もう1回っ!」
波が引いて凹凸がなくなった砂浜を再度枝でなぞる。
今日のネタは得ているから絵日記には描かないし、もちろん日記にも書くつもりはない。
だけど……せめて写真には残したい。
「あっ! くそぉ、もう1回!」
懲りずに何度も書き直す私は、傍から見たら恋愛成就のおまじないに必死になっている痛い奴なのだろう。
でもそんなことは気にせず果敢に挑み続ける。
「よし! できた!」
描いては消えてを繰り返すこと5回。ようやく完成した。急いでリュックサックを開けてスマホを取り出す。
「ただいまー」
電源ボタンを押した直後、後方で凪くんの声が聞こえた。
「ごめん、枝なかった」
「あっ、そう?」
やばいやばいやばい。このままじゃ見つかる。
首だけ振り向いて返事をし、急いでカメラアプリを開いてピントを合わせる。
しかし……。
「ああっ!」
シャッターボタンを押す前に波が来てしまい、またなめらかな砂浜に戻ってしまった。
そんなぁ、あとちょっとだったのに……。



