砂浜に描いたうたかたの夢

──ピンポンパンポーン。

すると、午後4時を知らせる館内放送が流れてきた。



「わっ、もうこんな時間か。あとはどこか見たいところある?」

「食料品売り場。長寿のお祝い用に買いたいのがあって」

「了解。まだ時間あるし、ゆっくりでいいからね」



昨日と一昨日に引き続き、またも心の内を読み取られてしまった。


本音を言うと、もう少し2人でゆっくり話したい。でも、いい思い出がない場所に、長時間居座らせたくない。
凪くんの気遣いは嬉しいけど、ごめんね。

謝罪を含んだ眼差しで頷き、残ったケーキを丸々口の中に放り込んだ。







「凪くん、本当に何も飲まなくて良かったの?」

「うん。ここに来る前に味噌汁飲んできたから」



カフェを後にして食料品売り場へ向かう。

何も注文しなかった凪くんがどうしても気になって聞いてみたら……味噌汁って。
塩分補給にはなるけど、結構歩き回ったし、のどは渇いているはず。



「それだけで足りる? もしかして金欠なの?」

「…………」