砂浜に描いたうたかたの夢

かけ持ちしていることをサラッと言ってのけた凪くん。

そういえば、将来の夢も、水と絵に関する仕事って言ってたっけ。


……あ、なんか今、これまでの言動が、点と点が線で繋がったような気が……。



「なんて俺も、昔は体型気にしてたんだけどね」

「太ってたの?」

「ううん、逆。今より痩せててさ。同級生からずっとからわれて、それが嫌で水泳始めたんだよ」



すると、またまたサラリと言ってのけた。


顔に加え、体型コンプレックス持ちだったなんて……! タイプは違えど、私と同じ……!

……ちょっと待って。だとしたら私、さっき感情に任せてとんでもなく酷いことを……。



「ごめんなさいっ。私、全然知らなくて……」

「いや、別に謝ってほしいわけじゃないよ。俺が言いたかったのは……周りの目や野次を気にしすぎないでってこと」



優しく諭す声が聞こえて、ゆっくり顔を上げる。



「それで自分のしたいことを諦めるの、すごくもったいないよ。話戻るけど、人に迷惑をかけない程度なら、好きな服を着ていいと思う。あれこれ囚われすぎてたら、心の健康にも悪いよ」