砂浜に描いたうたかたの夢

数分休憩した後、散らかった机の上を片づけて、教科書とノートを棚に戻す。


計画は、得意教科や量が少ないものから先にやる。

最初は全部同時進行の予定だったんだけど、苦手なものは1番時間を費やすと考えて、他の宿題を終わらせたほうが集中して取り組めると思ったんだ。


再考した計画、吉と出るか凶と出るか。



「さてと、塗りますか」



引き出しを開けて無地のノートと色鉛筆を取り出し、線画に色をつけていく。


予告なしに突然追加された、絵日記の宿題。

別に、日記を書くことも絵を描くことも嫌いではない。むしろ、絵を描くのは趣味だから好きなほう。

かわちゃんからすると、いきなり出したことに腹を立てたと思われただろうけど……実は他にも理由があるんだ。



「一花! ちょっと来て!」

「はーい」



まぁ……それは後々分かるとして。
気分転換も兼ねて、野菜でも切りますか。

切りのいいところで中断し、1階に下りて母と一緒に夕食の準備をした。