「あんたね……それ立派ないじめなんだからね!」
「わりぃわりぃ。でもネタできただろ? 良かったな!」
「いや、全然良くないから!」
【絵日記のネタに詰まって助けを求めたら、セミの抜け殻をいきなり渡されて絶叫しました】って?
無理無理! そんな日記書きたくないし、読みたくもない! そもそも、嫌いなやつの抜け殻なんて描きたくないよ!
ケラケラと笑う智を睨みつけて居間を後にし、祖父母の部屋に戻って宿題を再開した。
◇
「……どうしよう」
絵日記を片手に鈍い青の海を眺めながら、ポツリと焦りの声を漏らした。
ネタを求めて、少し早めに宿題を切り上げて来たけれど……昨日と同じ。描けるものが何もない。
生ぬるい風が吹き、もう片方の手で麦わら帽子を押さえる。
今日は風が強いからかな、雲の流れが早い。いつもの青々とした海も、太陽が出てない今日は明度が低く、くすんでいる。
昨日とは違う光景ではあるけど、これを描くのはちょっとなぁ。
既に朝昼夕夜、4つも描いてるし。さすがに5つ目はお腹いっぱいになるよね……。
「わりぃわりぃ。でもネタできただろ? 良かったな!」
「いや、全然良くないから!」
【絵日記のネタに詰まって助けを求めたら、セミの抜け殻をいきなり渡されて絶叫しました】って?
無理無理! そんな日記書きたくないし、読みたくもない! そもそも、嫌いなやつの抜け殻なんて描きたくないよ!
ケラケラと笑う智を睨みつけて居間を後にし、祖父母の部屋に戻って宿題を再開した。
◇
「……どうしよう」
絵日記を片手に鈍い青の海を眺めながら、ポツリと焦りの声を漏らした。
ネタを求めて、少し早めに宿題を切り上げて来たけれど……昨日と同じ。描けるものが何もない。
生ぬるい風が吹き、もう片方の手で麦わら帽子を押さえる。
今日は風が強いからかな、雲の流れが早い。いつもの青々とした海も、太陽が出てない今日は明度が低く、くすんでいる。
昨日とは違う光景ではあるけど、これを描くのはちょっとなぁ。
既に朝昼夕夜、4つも描いてるし。さすがに5つ目はお腹いっぱいになるよね……。



