私は放課後友達と話し込み、いつも乗るはずのスクールバスを乗り過ごした。帰宅部の私は
部活をしている子達が帰る時間のバスを待った。
一番後ろの席の真ん中の席に座った
バスに乗って来る子達が良く見える
西日がさすバスの中。部活帰りの子達はなんだかキラキラして見えた。
サッカー部の子達が次々と乗って来る
もうすぐ、バスは出発する。
ギリギリで乗って来たサッカー部の子
その子を見た時、まるで周りの時間が止まったように感じた。
そして、
(あの子の彼女が羨ましい)
と、思った。
彼女と一緒だった訳じゃないのに。
私は、高校に入ってからずっと同じ香水を使っていた。
先輩が海外に行った時にお土産でくれた物で、
誰ともその香りは、被らなかった。

 私は彼を見て、心臓が高鳴り
香水を付け直した。
思ったより多くつけてしまい。
バスの中は私の香水の匂いが充満した。怪訝な顔をする子もいた。

一目惚れ?

私は一瞬でそう感じた
その彼は隣の席の子に
「香水の匂い?」と聞いたのが聞こえた。

私は恥ずかしかった。
すると、
「あー、この匂いはキキだよ」
隣の子は私の友人だった
「キキ?」
彼が振り返り私を見た。
数秒目が合った。
何組の子だろう?三年の私だけど
初めて見る彼。
13クラスまである。知らない子はたくさんいる。

 私は次の日寝坊して遅刻した。
人の変化に敏感でお世話好きの
よっぴがニヤニヤ顔で近づいてきた

「はい。これ」
よっぴから渡されたメモ

【 たあ
   体育コース、サッカー、一年
   080-××××-30××
   ID、BLACK ××Soul

     よろしくです。】

と書いてあった。

「よっぴコレなに?」
「キキ、昨日バスの子気に入ったでしょ?キキ顔に出るからわかりやすいんだよ」

「え?でも、このメモなんで?」
「実は、一年のサッカー部の子達がカッコいいって話し聞いて、朝から体育コースに視察に行ったの、それで昨日の子
見つけたから。
 キキの連絡先も相手に渡しておいたよ!」

「え〜!」
ってゆうか、一年だったの?
タメだと思ってた。2個下に見えなかった。大人っぽかった。

しかし、よっぴは、本当お節介だな

私は学校で目立つ女子のトップグループにいる。

皆んな大人っぽくて、ギャルだ
私はDJをしていたし。

彼氏は4個年上でアメ車に乗っていて
力仕事で給料はよく、1人暮らしで
不良って感じで、喧嘩もよくしてたけど私には、とても誠実で優しかった。

学校が終わり皆んなで帰る
最寄り駅の改札を抜けると
後輩の女の子達が待っている。

「一緒に写真撮ってください」
私達は、10人もいる女子グループで
皆んなそれぞれ、雑誌に出てたり
YouTubeをしてたり、
インスタのフォロワーが沢山いたり
私達の動画はTikTokでは人気があった。

それでも、
胸が、キュンとなる事なんてなくて
漫画の見過ぎ?
ドラマの見過ぎ?
そのせいだと思ってた実際キュンなんて、
しないって!

だけど昨日、私はキュンとした
まさか歳下だった。
去年まで中学生じゃん。
そんな事を考えながら、歩き
放課後帰路に
途中、コンビニに寄った。

会計を済ますとちょうど携帯が鳴った?

「、誰の番号?」
「はい、もしもし」

「あ、いきなり電話でゴメン
今日、キキの番号もらって。
俺、体育コースの、たあ」

「あ、え?」

とゆうか?タメ語そして呼び捨て

「たけ先輩に、キキはお前が手の届く相手じゃないから、DJとかして、人気あるしレベル違うし、彼氏、こえーし!連絡先教えるのは無理って言ってたのに
教えてくれたんですね?」

「え?たけからは、何も言われてないよ!」

「え?じゃあ、なんで俺に連絡先教えてくれたの?」

「あー、友達のよっぴが勝手に」

「え?そうなの」

「ってゆうかさ。君!一年だよね?
いきなりタメ語で呼び捨て?」

「あ、ゴメン、勝手に浮かれてて
いや、すいません」

「いや、もう、タメ語で呼び捨てで。
いいよ、たあ」

「あ、ゴメン、だけど、緊張したー
昨日バスで、キキを見たんだ!
それで一目惚れして
そしたら、次の日連絡先知れて
奇跡!」

たあは次々と、質問したり
自分の事を話した。
明るくて、元気で。始めて話したんじゃないみたい。
話しやすくて、話しが盛り上がりすぎて、何時間も私はコンビニの前で立ってた。

ねえ。覚えてる?
初めて会った琥珀色のバスのなか
私達は、同じ気持ちで、相手を見てた

【この人の恋人がうらやましい】

付き合いたいじゃない、

羨ましい。
たあは、キラキラしててカッコよくて
素敵な彼女が居ると思った。
だから。

たあ?忘れてないよね?
あの日のあの瞬間、

忘れようとしても、忘れる事はないよ

私達は、一目惚れしたんだって、お互い認めたのに。恋人がいる?って聞かなかった
怖かった。
ただ、楽しく話していられるなら
わざわざ、恋人の事を確認したくなかった。

たあも同じだよね?
ムダにポジティブなのに。
遠慮しちゃう。

あのね。
本当にカッコよかったよ。
あの時言えなかったけど。
初めての一目惚れだった。
年上好きの私は、歳を知らずに。
たあに、一目惚れした。
まさか、歳下だったなんて。
同じ歳だったらきっと。
違ってたかもしれない。
でも、よかったのかな?

一年しか、同じ学校に居られない。
同じ制服を着れない。
そのカウントダウンは、私達をあせらせたよね?
たあはどうだった?