「通話をするだけが、スマホではありません。こういう使い方だってあるのです。真由子ちゃんの姿、しっかり写真に収めました。これで見つけていないなんて、言わせませんよ!」
「その手があったか! ナイス、トモ!」
松木さんに教えてもらった自撮りが、こんな形で役に立つなんて。
すると背後から、狼狽したようなサトル君の声が聞こえてきます。
「まさか、そんな。こんなの無効、無効だ……う、うわぁぁぁぁっ!」
自撮り機能が動いているスマホの画面には、声をあげて地面に倒れこむ真由子ちゃんが映さます。
すると彼女の体から、紫色の光の塊が抜け出しました。
その光は人の形をしていましたけど、目も鼻も口もありません。
あれが、サトルくんの正体。
どうやら無効だと言いつつも、自分で作ったルールを曲げることはできないみたいで、強制的に真由子ちゃんの体から追い出されたようです。
そしてそれと同時に、今まで感じていた寒気と圧がスッと引きました。
「霊気が弱まった? 真由子ちゃんから離れたことで、弱体化したのか。トモ、今なら!」
わかっています。今なら振り返っても、私達ならやられません!
示し合わせて、同時に後ろを向く私と葉月君。
するとサトルくんは、新しい体を求めて飛びかかってきました。
「体……体ヲヨコセェェェっ!」
真由子ちゃんに取り憑いていた時とは違う、まるで獣のような雄叫びが、空気を震わせる。
さすが都市伝説の怪物。弱ったとはいえその力は十分に強力で、私一人だったら勝てるか分かりません。
けど今は。
「「滅!」」
「ぎゃぁぁぁぁっ⁉」
私と葉月君、二人の攻撃がサトルくんを襲い、彼は後方へと吹き飛びました。
今は、葉月君がいるのです。
一人では勝てないかもしれませんけど、彼と一緒なら。
頼りにしてますよ、葉月君!
「トモ、トドメだ!」
「はい。サトルくんの都市伝説は、これで終わらせます!」
地面に倒れるサトルくんに手をつき出して、二人で力を込める。
「迷う者、荒ぶる魂、鎮まりたまえ……」
「天に星、土に命、還りたまえ……」
「「浄!」」
「ウアァァァァァァァァァァ―――ッ!」
サトルくんを包み込む、浄化の光。
彼は声をあげましたけど、やがてそれも小さくなっていき、その姿は、完全に消滅しました。
「終わり……ましたね……」
「そうみたいだね。真由子ちゃんは……うん、気を失ってるだけみたい」
倒れている真由子ちゃんのそばによって、無事を確認する葉月君。
するとサトルくんをやっつけたことで自由になった、椎名さん達もやってきます。
「えーと。とりあえず、救急車は呼んだ方がいいのかな? それに、この子の家にも連絡した方がいい? 宗太、電話番号分かる?」
「うん、ちょっと待って」
椎名さん達にも協力してもらって各所に連絡を入れていく。
そしてそれも一段落した時、葉月君がポンと私の肩を叩きました。
「さっきは助かったよ。トモがいなかったら、本当にヤバかったかも。自撮りで後ろを見るなんてよく思い付いたね」
「たまたま思いついただけです。それに葉月君がいなかったら真由子ちゃんは助けられても、サトルくんは倒せなかったかもしれません。勝てたのは、葉月君のおかげですよ」
まだ私は、葉月君ほど強くありません。
だから今回は迷わず、彼を頼ったのです。
頼って良かったですよ。
おかげで、危険な都市伝説を終わらせることができたのですから。
「俺だって同じだよ。もしもトモがいなくて、一人だったらどうしようもなかったかも。ふふ、やっぱりトモは最高だ」
可愛がるように、ぽんぽんとツインテールの頭を撫でてくる葉月君。
本当は頭を撫でられるのは、あまり好きではないのですけど。
今日だけは、特別ですよ。
「その手があったか! ナイス、トモ!」
松木さんに教えてもらった自撮りが、こんな形で役に立つなんて。
すると背後から、狼狽したようなサトル君の声が聞こえてきます。
「まさか、そんな。こんなの無効、無効だ……う、うわぁぁぁぁっ!」
自撮り機能が動いているスマホの画面には、声をあげて地面に倒れこむ真由子ちゃんが映さます。
すると彼女の体から、紫色の光の塊が抜け出しました。
その光は人の形をしていましたけど、目も鼻も口もありません。
あれが、サトルくんの正体。
どうやら無効だと言いつつも、自分で作ったルールを曲げることはできないみたいで、強制的に真由子ちゃんの体から追い出されたようです。
そしてそれと同時に、今まで感じていた寒気と圧がスッと引きました。
「霊気が弱まった? 真由子ちゃんから離れたことで、弱体化したのか。トモ、今なら!」
わかっています。今なら振り返っても、私達ならやられません!
示し合わせて、同時に後ろを向く私と葉月君。
するとサトルくんは、新しい体を求めて飛びかかってきました。
「体……体ヲヨコセェェェっ!」
真由子ちゃんに取り憑いていた時とは違う、まるで獣のような雄叫びが、空気を震わせる。
さすが都市伝説の怪物。弱ったとはいえその力は十分に強力で、私一人だったら勝てるか分かりません。
けど今は。
「「滅!」」
「ぎゃぁぁぁぁっ⁉」
私と葉月君、二人の攻撃がサトルくんを襲い、彼は後方へと吹き飛びました。
今は、葉月君がいるのです。
一人では勝てないかもしれませんけど、彼と一緒なら。
頼りにしてますよ、葉月君!
「トモ、トドメだ!」
「はい。サトルくんの都市伝説は、これで終わらせます!」
地面に倒れるサトルくんに手をつき出して、二人で力を込める。
「迷う者、荒ぶる魂、鎮まりたまえ……」
「天に星、土に命、還りたまえ……」
「「浄!」」
「ウアァァァァァァァァァァ―――ッ!」
サトルくんを包み込む、浄化の光。
彼は声をあげましたけど、やがてそれも小さくなっていき、その姿は、完全に消滅しました。
「終わり……ましたね……」
「そうみたいだね。真由子ちゃんは……うん、気を失ってるだけみたい」
倒れている真由子ちゃんのそばによって、無事を確認する葉月君。
するとサトルくんをやっつけたことで自由になった、椎名さん達もやってきます。
「えーと。とりあえず、救急車は呼んだ方がいいのかな? それに、この子の家にも連絡した方がいい? 宗太、電話番号分かる?」
「うん、ちょっと待って」
椎名さん達にも協力してもらって各所に連絡を入れていく。
そしてそれも一段落した時、葉月君がポンと私の肩を叩きました。
「さっきは助かったよ。トモがいなかったら、本当にヤバかったかも。自撮りで後ろを見るなんてよく思い付いたね」
「たまたま思いついただけです。それに葉月君がいなかったら真由子ちゃんは助けられても、サトルくんは倒せなかったかもしれません。勝てたのは、葉月君のおかげですよ」
まだ私は、葉月君ほど強くありません。
だから今回は迷わず、彼を頼ったのです。
頼って良かったですよ。
おかげで、危険な都市伝説を終わらせることができたのですから。
「俺だって同じだよ。もしもトモがいなくて、一人だったらどうしようもなかったかも。ふふ、やっぱりトモは最高だ」
可愛がるように、ぽんぽんとツインテールの頭を撫でてくる葉月君。
本当は頭を撫でられるのは、あまり好きではないのですけど。
今日だけは、特別ですよ。