「―――花?」
「あっ、は、はい!えっと…ひび、なんだっけ!」
「六番テーブル。あんまりぼーっとしてるとまた落とすよ、気をつけて」
私は人よりも時間を気にしない方だと思う。
信号が赤になりそうでも、点滅しそうでも、走ることなんてしない。
寝坊はできるだけしたくないから、ゆっくり準備するためにわざと早い時間にアラームをかける。
…だからといって、夏休み最終日まで返事をしないのはどうかと思う。
―――シフトが一緒だった私たちは、同じ家から出てバイトに向かった。
日比人が家にいるのは今日までって考えるとやっぱり寂しい。…好きって気持ちがあるから余計なのかも。
この人が私のこと好きってすごくない?今も好きって思ってたりして…
「ぶわあっ!」
「昨日からその効果音なに」
でも、日比人は私とおんなじ気持ちだって気づいてないわけで。
…自分の気持ちしかわからない、って、日比人の心の中は今どうなってるんだろう。



