幼馴染くんの好きな人は私でした。




唇に触れたその感触は残ったまま、また顔を近づけるから慌てて両手で口を隠した。




…考えが追いつかない。




やっと状況を理解した私の叫び声が聞こえたのは、夕焼けがカーテンをくぐって部屋全部が橙色に染まる午後五時の事でした。




叫んだのは、嫌だったからじゃない。




二人でお風呂に入ったり、いつも手を繋いでいたし、人見知りな日比人を守っているように見えて、どちらかといえば私のほうが日比人にべったりだった。




…それとキスが、関係あるのかは知らないけれど。




「―――うんうん花が言ってるのもまあわかるけどさ。気まずくて話せないのはわかるけど。
もう夏休み後半ですが??」




あの日から三週間、必要最低限の会話以外していないことを、友人の陽葵(ひまわり)に呆れられていた。




駅前のカフェは今日も行列。窓際の席でケーキをつつく私を見つめる彼女は中学からの親友で、家も近い。




私のお化粧やら服装やらは、美人アンド可愛いで有名な陽葵に一から教えてもらったも同然。