「どうしたの?」

「え! ……いえ、何かお手伝い出来ることはありますか?」

「じゃあ、大葉刻んでもらっていい?」

「了解です!」


こうして、私たちは二人で特製漬けマグロ丼を作ることになった。

「タレはさ、3:2:1が黄金比率なんだよ。
酒とみりんは煮切って…」

「……どのサイト見たんですか?」

「キッチンパッド」

「なるほど…」

めちゃくちゃメジャーじゃない。

「でもさ、ここからが俺のとっておきなの!」

と言って、なんだか色々とレクチャーしてくれる。

色々な顔を見せてくれるなー。

「あ!
卵白を捨てちゃうのはもったいないですよ」

「何に使うの?」

「んー。かき玉汁は無理かな?」

「白身だけでできる?」

「かなり泡立てたらふわっとなるかも。泡立て器は…」

「泡立て器? 何それ。」

「ないですよね。
あ、じゃあポーチドエッグみたいな感じにしようかな。黄身はないけど、なんとかなるでしょ。
お酢はあります?」