聞いてないよ、右京さん



右京side


今夜は、満月が見えないな。

空は分厚い雲に覆われておいる。その向こうにはきっと満月が煌々と輝いているんだろう。


仕事が一段落したところで空を見上げて思った。


今日の夕方、俺たちの敵対する組織、濡羽(ヌレバ)組に動きがあったと報告が入った。


そのため、俺たち水縹(ミハナダ)組の管轄を見て回っていた。



この周辺一体には、大きなふたつの権力が存在している。それが水縹組と濡羽組だ。


互いに1番を狙い、権力を自分のもの一つにしようと考えている。



俺はそんな事に興味は無いが、若頭になり組を纏める身としてはそんなことも言ってられない。


最低でも親父がいるうちはそんな態度を見せてはならない。






組の奴らが各方面に散らばり、俺は蓮斗を連れて見回っていた。


一通り見終わって、異変はなかった。最後に繁華街の方を見て、そこが大丈夫だったら帰ろうと思っていた。


相変わらず、真夜中だと言うのに賑わう繁華街。ここは正直、治安がいいとは言いきれない。