婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 教師の嗄れた声が、今日の授業の終わりを告げる。
 クラスメイト達はすぐに席を立って教室のあちこちに集まり、楽しそうにお喋りをしていた。誰かが自慢話をすると、すぐに称賛の声が集まる。
 この貴族社会で生き残る術を、こうやって身につけていく。
 学園で学ぶのは、魔法だけではないのだろう。
 アメリアは自分の席に座ったまま、静かに彼の訪れを待っていた。
 周囲からは、どの会話にも加われないアメリアを見下すような視線を感じる。
 家業も大切だが、貴族社会で生きる以上、社交も大切なものだ。
 輪から外れた者を徹底的に嫌う、排他主義。
 地方出身のアメリアにはわからなかったが、きっと王都に住む貴族達というものは、最初からこういうものなのだろう。
 アメリアはリースによって理不尽に孤立させられ、孤立したことによって集団から弾かれた。