婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 学園は敵ばかりではなかったと知る。
 安易に力を借りるつもりはないが、そのことに少しだけ安堵して教室に戻った。
 乾いてもゴワゴワになってしまったバッグは元に戻らないし、中の書類も無惨な状態だ。机に座り、中の状態を確かめて溜息をつくアメリアを、エミーラを始めとしたクラスメイト達は嘲笑っている。
 申し訳なさそうな顔をする者は誰もいなかった。
 地方貴族で悪い噂があり、友人もひとりもいない。
 皆、そんなアメリアを虐げてもかまわないと認識しているのだ。
 だが彼女達は、この書類が誰に提出するつもりだったのかを。
 アメリアがすでにユリウスやサルジュと知り合いで、彼らに友人だと認定されていることを知らない。
 この授業が終われば、きっとサルジュが資料を受け取るためにこの教室を訪れるだろう。
 彼女達に対する罪悪感はもうない。
 だから、すべてを正直に伝えるつもりだ。