婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 こうなったら一刻も早く婚約を解消してほしいところだが、この婚約はサーマ侯爵家とレニア伯爵家が決めたこと。互いに顔も見たくないほど嫌い合っていたとしても、簡単に解消できることではない。
(ああ、そうだわ。お父様にリースから婚約を白紙にしてほしいと言う連絡がきていないか、ちゃんと確かめないと)
 アメリアは父に宛てた手紙を書いた。
 内容はただ、リースから連絡がきていないのか尋ねるだけの簡単なものだ。色々と書きたいことはあるが、父がリースの連絡を握りつぶしている可能性もゼロではない。まずはそれをきちんと確かめなくてはならない。
(うん、これでいいわ)
 簡潔な手紙を書き終えると、ようやく資料のまとめに入った。
 こうやってデータを作り、比較していく作業は嫌いではない。黙々と作業を続けていたが、ふと空腹を覚えて中断する。