婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

「たしかにサルジュを害しようとしたわけでないようだが、手が滑ったというのは嘘のようだな。この場で偽りを述べたこと。学園内で他の生徒を故意に傷付けようとしたことは、見過ごせない。処分は後ほど言い渡す。下がれ」
「そ、そんな」
「お許しください、わたくし達は……」
 処分と言う言葉に我に返った令嬢達は必死に言い訳を口にしようとしていたが、ユリウスの護衛達によって強引に外に連れ出された。
 アメリアは退出のタイミングを見失ってしまい、どうしたらいいのかわからずに視線を彷徨わせる。
「災難だったね」
 令嬢達と護衛の姿が見えなくなると、ユリウスの口調が親しげなものになる。
「怪我がなくて何よりだ。だが、どうして彼女達は君にそこまで悪意を持っているのだろう」
「……わかりません。顔も知らない方でした」
 正直に答えると、ユリウスは難しい顔をした。