婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

「答えないのなら王城で事情を聞くことになる。君達は実際、サルジュに危害を加えている。このまま何も聞かずに無罪放免というわけにはいかない」
 王族だけが持つ光魔法の保護のため、危害を加えようとした者は厳罰だと定められている。
 アメリアがサルジュにぶつかってしまったときのように、故意ではないと証明されたらその限りではない。だが今の彼女達のように口を噤んだままなら、本当に王城に連行されてしまうかもしれない。
 彼女達もそれがわかったのか、震える声で自らの家名と名前を告げる。
 どうやら彼女達はアメリアよりも一学年上のようだ。
「……サルジュ殿下に危害を加えるつもりはありませんでした。本当です。……ただ、手が滑って紅茶を落としてしまって。そこに彼女がいて」
 アメリアにわざと熱い紅茶を掛けようしたことは、当事者である彼女達とアメリアしか知らない。