婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 割れたカップ。そして涙目のアメリアと赤くなったサルジュの手を見て、ユリウスの瞳がますます険しいものとなる。
「お前の護衛は変更した方がよさそうだな」
 周囲を見渡し、サルジュがひとりだと確認すると、そう言って溜息をつきながら治癒魔法を使う。
 サルジュの手が元に戻ったことを確かめると、アメリアは安堵のあまりその場に座り込んでいた。
「さて、詳しい事情を聞きたい。そこの三人とアメリア。サルジュも生徒会室に来てくれ」
 ユリウスがそう言うと、アメリアに紅茶を浴びせようとしていた令嬢とふたりの友人は、真っ青になった。
「わ、わたくしはただ……」
「私達は関係がありません。すべてミーラが」
「そんな、ひどいわ」
 言い争いを始めた彼女達の前に、ユリウスの護衛が立ち塞がる。
 そのまま生徒会室に連行されていく彼女達を見ていると、目の前に手が差し伸べられた。
「アメリア、立てるかい?」