アメリアは頷き、その白い花を眺めた。
小さくて可憐な花は、農地の隅で咲いている野の花を彷彿させる。
しばらくサルジュとふたりで眺めていたが、ふと我に返った。
「ああ、もう校舎が閉まったかもしれません。サルジュ様の忘れ物が……」
「気にしなくてもいい。あれは口実だ」
「口実ですか?」
アメリアは首を傾げる。
学園の敷地内に咲いていたのだから、帰りに見ることもできたはずだ。それなのに、わざわざ一度馬車に乗ったあとに引き返してきた。
その理由がわからなかった。
不思議そうなアメリアを見つめ、サルジュは柔らかく微笑む。
「こうしないと、なかなかふたりきりになれないからね」
囁くようにそう言われ、再び手を握られてどきりとする。
そう言われてみれば、王族であるサルジュがひとりになることはほとんどない。学園にいる間は護衛騎士であるカイドがいるし、王城でも常に傍には人がいる。
「私はもう慣れているが、アメリアが大変ではないか。窮屈な思いをしているのではないかと、ずっと気になっていた。一度レニア領地に行ってからは、特にそう思うようになった」
小さくて可憐な花は、農地の隅で咲いている野の花を彷彿させる。
しばらくサルジュとふたりで眺めていたが、ふと我に返った。
「ああ、もう校舎が閉まったかもしれません。サルジュ様の忘れ物が……」
「気にしなくてもいい。あれは口実だ」
「口実ですか?」
アメリアは首を傾げる。
学園の敷地内に咲いていたのだから、帰りに見ることもできたはずだ。それなのに、わざわざ一度馬車に乗ったあとに引き返してきた。
その理由がわからなかった。
不思議そうなアメリアを見つめ、サルジュは柔らかく微笑む。
「こうしないと、なかなかふたりきりになれないからね」
囁くようにそう言われ、再び手を握られてどきりとする。
そう言われてみれば、王族であるサルジュがひとりになることはほとんどない。学園にいる間は護衛騎士であるカイドがいるし、王城でも常に傍には人がいる。
「私はもう慣れているが、アメリアが大変ではないか。窮屈な思いをしているのではないかと、ずっと気になっていた。一度レニア領地に行ってからは、特にそう思うようになった」



