婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 だが、サルジュが共同開発者であり、アメリアが彼の助手であることがわかると、誰もが態度を一変させた。研究者達もサルジュならば可能だと信じているのだ。
 特Aクラスの特待生も魔法研究員も熱心で、ときには激論を交わし、協力し合いながら、魔法研究のためにすべてを捧げていた。
 当然のように、サルジュの元にも多くの人が集まっていた。魔法を極めたいと願う者なら誰でも彼に教えを請い、その会話から何かを学びたいと思うだろう。
 けれど、アメリアは少し心配だった。
 サルジュはどんな人の話もよく聞き、穏やかな態度を崩さない。
 まるで、出会ったばかりの頃の彼のようだ。
 知り合った当初のサルジュは、あまりにも整った容貌から冷たい印象を与えないようにと、穏やかな笑みを絶やさなかった。
 それから親しくなるにつれ、アメリアの前では感情を素直に出してくれるようになっていた。