婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 カイドは騎士団の中でも剣技に優れ、さらに火魔法を使う魔法剣士だ。彼ならば、ひとりでもサルジュとアメリアの両方を守れる。だからこそふたりに振り回されて苦労をしているのだが、そんなカイドの傍にいれば安心だと、アメリアも彼を信頼していた。
 リースは正式に王立魔法学園を退学処分になり、魔封じの腕輪をつけられたようだ。彼の身柄はまだ騎士団に拘束されている。しばらく解放されることはないだろう。
 彼の供述通り、セイラは実家であるカリア子爵家に逃げ帰っていた。セイラもまたリースと同様に退学になり、魔封じの腕輪をつけられた。ただ、彼女の場合はベルツ帝国と通じていたわけではないので、これ以上の処罰はないだろう。
 それでも魔法の使えない貴族が、普通に結婚することは難しい。
 修道女になるか、平民になるしかない。
 それは少し気の毒に思うが、魔法という強い力を持つ者が他人を虐げてはならないのだ。