婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 サルジュが懸念していたように自分が狙われるのだとしたら、傍にいるのは、かえって彼を危険に晒すのではないか。
「アメリア様」
 ふと声をかけられて顔を上げると、馴染みの侍女がこちらを覗き込んでいた。
「サルジュ殿下がお呼びです」
「すぐに行きます」
 今後のことで話があるのかもしれない。そう思い、身支度を整えて急いで向かった。
 案内された場所は以前、王子全員と対面した応接間だ。
 そこには王太子夫妻に第二王子エスト。そしてユリウスとマリーエ。サルジュと護衛騎士のカイドがいた。
 全員揃っていて、アメリアが最後だったようだ。遅れたことを詫びて、導かれるままサルジュの隣に座る。
 サルジュがアメリアの身に起こったことを説明すると、彼らはそれぞれ怒りを露わにした。
「リースはどこでベルツ帝国の者と接触した?」
 王太子アレクシスの言葉に、サルジュは騎士団で取り調べ中だと告げる。