婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 けれどこんなに長い間一緒にいたのに、リースがアメリアへの嫉妬で苦しんでいたことにまったく気付かなかった。
 それでも、許すなんて言えない。
 彼を見る度、あのときの苦しかった気持ちを思い出す。きっとリースも同じだろう。だから、もう二度と会わないのが一番良かったのに。
「どうして今さら会いにきたの? 私達の婚約はもう解消されている。あなたも、学園を退学になったのよ」
 いくら貴重な土魔法の魔導師でも、学園を卒業しない者に魔法を使う許可は下りない。
 魔法は貴族だけが持つ、とても強い力だ。だからこそ貴族の子どもには学園に入学する義務があり、その力を正しく使えるのか試される。
 本来ならばリースも、退学の手続きと同時に魔封じの腕輪を装着させられるはずだった。