婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 やがて学生達の間からレニア伯爵令嬢だという声が出る。
 それを聞いて真実の愛を貫いて駆け落ちしたリースのことや、婚約を解消したばかりだということ。学園で孤立していたことなどが、面白おかしく語られているかもしれないと覚悟した。
 けれど聞こえてくるのは、あのサルジュの助手を務めることができるほど優秀な令嬢、というものばかりだ。
 学生達の中では大きな話題となったが、もともと婚約解消など貴族の中ではよくあること。現にユリウスも昔からの婚約を白紙に戻し、新しい婚約者を選んでいる。
 それよりも彼らが注目しているのは、この国の未来を担うサルジュの研究であり、その助手を務めているアメリアの優秀さなのだ。
 何だか肩の荷が下りたような気がして、大きく息を吐いた。
 国王の挨拶の後は、ユリウスがマリーエとの婚約を発表する。各国の使者が祝辞を述べたあとは、主役ふたりのダンスだ。