婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 身支度を手伝ってくれた侍女や、一緒にいたソフィアやマリーエが同じ言葉を何度も口にしてくれた。
 でもサルジュからの言葉は特別で、とても平静ではいられなくなる。
 それぞれがパートナーと会話をしていると、アレクシスが部屋を見渡しながら言った。
「今日は他国からの使者も何人か訪れているが、婚約披露の場なので、基本的に国内の貴族ばかりだ。だが数が多いだけに、見知らぬ顔が紛れ込んでいても判明しにくいだろう。それぞれ単独行動はしないように気を付けるように」
 長兄の言葉に、弟達はそれぞれ真摯に頷いている。
 そうしているうちに、いよいよパーティの開始時間になった。
 祝い事なので、会場となった大ホールは華やかに飾りつけられている。