婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 まさかアメリアの言葉を信じなかった父が、当日婚約者候補を連れて来るなんて思ってもみなかった。

 最優先で仕立て上げられたアメリアとマリーエのドレスは、とても素晴らしいものだった。
 当日の主役であるマリーエのドレスが最上級のものなのは当然だが、アメリアのドレスも、今まで見たことがないほど上等なものだ。
 不安になってマリーエに相談してみたが、彼女は何か吹っ切れたような清々しい笑顔で、サルジュの隣に立つのだから、それくらい当然だと言う。
 たしかに、みすぼらしい姿で彼の隣を歩くわけにはいかない。
 新しい水魔法の開発も、少しずつ進んでいた。
 そのため彼の手伝いをする場所が、学園の図書室から王城の図書室や庭園の隅にある実験用の畑に移動し、アメリアも王城に泊まり込むことが増えていた。