婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 思ってもみなかった言葉に驚いて顔を上げるが、サルジュは優しく微笑むだけだ。
 この日は王城に泊まらずに寮に戻る。
 すると、領地にいる父から手紙が届いていた。
 父もユリウスとマリーエの婚約披露パーティに参加するため、母と一緒に王都に来るようだ。
 婚約解消をしたばかりのアメリアのためにエスコートをしてくれる男性を連れて行くと書かれていたので、不要だと伝えなくてはならない。
 もしかしたら父が選んだ婚約者候補かもしれない。
 ソフィアに頼まれていなかったから、父の言う通りにしていた。
 でもそれがどんな人であれ、サルジュよりも優先させることはできない。
(サルジュ様にエスコートしていただくと書いたら大騒ぎになりそうだから、学園の先輩に頼んだと書いておこう)
 どのみち当日になればわかってしまうが、相手はあのサルジュだ。領地で騒ぎになるよりは、この方がいい。