婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 それを見たアメリアの足は震えていた。
 在校生の中には王族もいる。絶対王政のこの国で頭を下げないということは、彼自身も王族だということだ。
 第三王子であるユリウスには、侯爵令嬢の婚約者がいる。
 ならば婚約者がいないと言っていた彼は、第四王子であるサルジュなのか。
(そんな、どうしよう……)
 そう結論を出しても、自分の手を取って歩いている人が王族だなんて信じられなくて、何度も立ち止まりそうになる。
 でも威厳のある姿も優雅で柔らかな物腰も、彼が王族だとわかれば当たり前のことだ。それに冷静になってみれば、彼の持つ光の波動が感じ取れる。王族は魔力が桁違いに多く、さらに光属性の魔法を使うことができるのだ。
 光魔法は、すべての属性魔法と同じような効果があると聞いている。
 火魔法のように攻撃を。風魔法のように補助魔法を。