婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

「この魔法を作り出す。だが、水魔法は私の専門ではない。そのためにアメリアの力を貸してほしい。色々とあった後で大変かもしれないが、もちろん試験勉強の合間で構わない」
「はい、サルジュ様。私でよければ何でもさせていただきます」
 彼の言葉に、アメリアは何度も頷いた。
 新しい魔法を作ることは、簡単なことではない。
 だが、サルジュなら可能だろう。
 その手助けができるなんて、とても光栄なことだ。

 それからアメリアは、午前中はマリーエと試験勉強をして、午後からはサルジュのもとで彼の研究を手伝った。
 正式にユリウスの婚約者となったマリーエは、そんなアメリアを心配して、たまには休んだ方がいいと何度も忠告してくれた。
「でも一日休んだだけで、サルジュ様の研究はかなり進んでいて、ついていけなくなるんです」
 アメリアは、今日は午後も一緒に勉強をしようと誘ってくれたマリーエにそう言って断る。