つらい目にもたくさん合ったが、今思えば悪いことばかりではない。
あのことがなければサルジュと親しくなることもなかっただろうし、ユリウスとマリーエに出会うこともなかったかもしれない。
何よりあのままリースと結婚していたら、魔法を学び続けることはできなかっただろう。
(領地の運営に携わるのも嫌いじゃなかったから、それなりに暮らしていたかもしれないけど)
だが、陥れるほどアメリアを憎んでいたリースと幸せになれるとは思えない。きっといつかは破綻していただろう。
十年来の婚約者だった彼とも、もう会うことはない。
そう思っても寂しくはなかった。
ただ今は優しく涙を拭ってくれたサルジュの指の温度だけが、いつまでも残っている気がする。
そっと自分の頬に触れたところで、アメリアはふと思い出す。
あのことがなければサルジュと親しくなることもなかっただろうし、ユリウスとマリーエに出会うこともなかったかもしれない。
何よりあのままリースと結婚していたら、魔法を学び続けることはできなかっただろう。
(領地の運営に携わるのも嫌いじゃなかったから、それなりに暮らしていたかもしれないけど)
だが、陥れるほどアメリアを憎んでいたリースと幸せになれるとは思えない。きっといつかは破綻していただろう。
十年来の婚約者だった彼とも、もう会うことはない。
そう思っても寂しくはなかった。
ただ今は優しく涙を拭ってくれたサルジュの指の温度だけが、いつまでも残っている気がする。
そっと自分の頬に触れたところで、アメリアはふと思い出す。



