婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

「サルジュ様!」
 逆上したリースがサルジュに詰め寄ろうとしたが、護衛騎士のカイドがそれを許すはずがない。リースはただちに取り押さえられ、学園の警備兵に引き渡された。
 取り残されたセイラは座り込んだまま呆然としている。彼女もまた、警備兵によって連れて行かれてしまった。
 正式な処分が下るまで、ふたりは自室で謹慎となるだろう。
「ただ私達は、真実の愛に目覚めただけなのに……」
 最後にセイラはそう呟いていた。
 多くの人達を味方にしたその言葉にも、今は誰も賛同しない。
「アメリア、大丈夫か?」
 気遣ってくれる優しい声に顔を上げると、サルジュが心配そうにアメリアを覗き込んでいる。
 その顔を見た途端、涙が溢れてきた。
 こんなに大勢の人の前で泣くなんて、と思うが、どうしても止めることができなかった。