婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 それを聞いたリースは悔しげに唇を噛み締めている。彼自身は、AクラスからCクラスに落ちたと聞いていた。
 そういえばリースは昔から、アメリアが魔法を学ぶことを快く思っていなかった。
 婿入りする予定だったリースは、レニア領地でアメリアと一緒に魔法を学ぶことも多かった。家庭教師はアメリアを優秀だと褒め称えてくれたが、その後いつもリースはとても不機嫌になっていたことを思い出す。
 リースは、伯爵家を継ぐのは自分だから、アメリアはそれほど魔法を学ばなくてもいい。それよりも農地の見回りや農作物のデータを作ってくれと言われていた。
 思えばリースがアメリアとともに何度も出かけていたのは、アメリアに魔法を学ばせないためだったのかもしれない。
「優秀なアメリアを妬んで、自分が有利になるように、その価値を落とそうとしたのか?」
 だからサルジュのその言葉は、真実だったのだろう。
「……っ」