婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

「僕が愛しているのは君だけだ。本当なら君と一緒に参加したいが、アメリアに見られたら面倒だ」
 やはりリースはわざとアメリアにドレスを贈らず、連絡もしなかったのだ。
 誰かが侯爵家の子息であるリースが忘れるはずがないと言っていたが、その通りだった。
「でも彼女に逆上させて騒ぎを起こさせて、学園を退学にさせるんでしょう?」
 あのときのエミーラのように、学園を退学になってしまえば、これから先も魔法を使うことができなくなる。
「そんな女と結婚して伯爵家を継いでやるんだから、セイラを連れて行っても文句は言わせないよ」
「そうね。私はリースと一緒にいられるなら、何でもいいわ」
その後もふたりは、アメリアがリースに出した手紙を見て笑っている。
 さすがに見ているのがつらくなって、視線を逸らした。

「すまない、アメリア。君を傷付けるつもりはなかった」