婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

「嘘よ。冤罪で私達を陥れて、学園から追い出そうとしているのでしょう? なんて卑怯なの」
 自分ではないと否定するアメリアの言葉などまったく聞かず、さらに詰め寄ろうとしたセイラが、ふいに目の前から消えた。
(え?)
 突然のことに驚いてその姿を探すと、赤い髪をしたサルジュの護衛騎士カイドが、セイラをアメリアから引き離していた。
「冤罪でアメリアを陥れようとしていたのは、君達の方だろう」
 そうして、この場に静かな声が響く。
 護衛騎士がここにいるのだから、彼がいるのは当然のことだ。
 その姿に気が付くと、興味深そうに見ていた周囲の人達も慌てて頭を下げる。
 もちろんリースとセイラもだ。
 彼に非礼を行うことは許されない。
 サルジュはゆっくりとした足取りで、まっすぐにアメリアの傍に歩み寄った。