婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

「ただ、彼らは自分達が犯した罪で勝手に沈んでいく。それだけだ」
 そう言うと、資料を広げた。
「アメリア、この地域だけ収穫量が多い理由は?」
 サルジュが指し示した箇所を見て、アメリアは答える。
「ええと、リースが土魔法をかけた場所です。たしか、成長促進魔法だったと思います」
「成長促進か。だがこの場合は土壌改良の方が有効かもしれない。それと、この地域は?」
「ここは、虫害が特にひどかったのです。環境は他の地域とあまり変わらないと思うのですが、何故かここだけがひどくて」
「何か理由がありそうだ。……気温、土壌は同じ。他には……」
 真剣なサルジュの横顔を見ていると、先ほどまでリースに感じていた怒りも悲しみも、たちまち消えていく。こんなふうに、ずっと彼の手伝いをすることができたら、どんなに幸せだろう。
 サルジュに求められるまま資料を提供し、まとめていないことは口頭で説明をする。
「あの」