婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 これでアメリアが王城に行っただけではなく、王太子殿下を始めとした王族の方々と対面し、しかも王城に泊まったことがクラス中に知れ渡ってしまった。
(どうしよう……)
 少しだけ困惑したが、別に困ることではないとすぐに思い直す。
 アメリアには、事情を問い詰めるような友人はひとりもいないのだから。
「サルジュ殿下。そろそろ授業が始まりますよ」
 アメリアに同情するような視線を向けながら、彼の護衛騎士がそう囁く。
「わかっている。そうだ、昨日の資料で気になることがあった。あとで聞きに来ても良いだろうか?」
「はい、もちろんです」
 サルジュとなるべく一緒にいなければという使命感を覚えて、アメリアは頷いた。そうすればユリウス達も安心するに違いない。
 彼が護衛騎士と立ち去ったあと、すぐに教師が入ってきて授業が始まった。
 黒板を見ると、つい昨日の映像を思い出してしまう。