婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

「ユリウスが寮に連絡を入れてくれたようだから、心配はいらないよ。食事の用意がしてあるから、ふたりともちゃんと食べるように」
「……後でいい」
 資料から目を離さずにそう言ったサルジュに、エストはアメリアを見た。
「アメリア嬢もいるのだから、そういうわけにはいかないよ」
 その言葉に、はっとしたようにアメリアを見たサルジュは、書類を片付け始めた。
「わかった。アメリア、行こうか」
「……はい。よろしくお願いします」
 王城で食事をさせていただくなんて、あまりにも恐れ多い。
 そう思って最初は断ろうとした。でもアメリアが断れば、サルジュも行かないだろう。
「アメリア嬢は大切なお客様だからね」
 それはエストにも望む答えだったらしく、笑顔で頷いてくれた。
 だが。
(まさか全員揃っていたなんて……)