婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 リースはそれなりに整った顔立ちをしていたので、彼のことが好きなのかもしれない。
 アメリアは、一年ほど顔を見ていない婚約者のことを思う。
 王都に来てからリースとは一度も会っていない。でも彼には、新入生歓迎パーティのエスコートを頼む必要がある。
 アメリアは寮の管理者を通して面会の申し込みをした。
 エスコートは婚約者として当然のこと。いくらリースが忙しいとはいえ、断ることはないだろうと思っていた。
 けれど歓迎パーティの前日になってようやく帰ってきた返事は、すまないが会う時間が取れない、というものだった。歓迎パーティのことなどまったく書いていない。
 さすがにアメリアもおかしいと思い始めていた。
 会うことを頑なに拒絶する婚約者。
 こちらを見て、ひそひそと話をする上級生。
 何か理由があるのは確かだ。