婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

まさかこんなことになるとは思わずに、困惑したまま歩くアメリアを、後ろに付き従っていた護衛騎士のカイドが気の毒そうに見ていた。
 さらに。
「アレク兄上に、サルジュ。どこに行くんだ?」
 途中で学園から戻ったらしいユリウスと、途中で出会った。
「エスト兄上に、あの書類を復元してもらおうと思って」
「その魔法がおもしろそうだから、同行した」
「ああ、じゃあ俺も行きますよ」
 ユリウスまで加わって、エストの部屋に向かう。
 その途中で婚約を解消するつもりだとユリウスが話した。経緯を聞いたアレクシスは、当然だと頷いている。
「これはまた、大人数ですね。私はサルジュだけと聞いていましたが」
 ユリウスと同じ黒髪を長く伸ばし、温厚な雰囲気のエストは、兄弟の間に小柄な女性がいることに気が付いて、驚いたように目を見開いた。