婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 そこにぱっと映ったのは、午前中の授業が終わったばかりの教室だ。どうやら教壇から見た画像のようだ。
 昼食のため、何人かの生徒が出て行く姿が見える。
 教室の一番後ろの席に座っていたアメリアは、しばらくバッグの中から書類を出して確認している。だが時間を見て書類をバッグにしまい、食堂に行くために教室を出て行った。
 それからしばらく経過したあと、先に昼食を終えただろうエミーラ達が教室に戻ってきた。
 取り巻きの令嬢達はエミーラの周囲を取り囲み、彼女の言うことに大袈裟に頷き、称賛の言葉を口にする。
 機嫌良さそうに笑ったエミーラは、ふと視線をアメリアの席に向けた。
「気に入らないのよね」
 彼女が誰を指してそう言ったのか、周囲はすぐに悟ったようだ。
「そういえば昨日、図書室でリース様を待ち構えていたと聞きました」
「ええ、セイラさんもすっかり怯えていて」