婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 彼の言葉に教室内が騒然とする。エミーラも含め、クラスメイト達は誰も知らないようだ。
「そう。光魔法のひとつだ。過去の映像を魔法で映し出すことができる。普通に暮らしていれば知らないだろうね。主に、罪を暴くために使うものだから」
 光魔法の詳細は王家にしか伝わっていない。だから王族がどんな魔法を習得しているのかを、知ることは難しい。
 もしこの魔法で罪を暴かれた生徒がいたとしても、その人は間違いなく退学になっている。だから学園内に伝わることはなかったのだろう。
「そ、そんな……」
 証言した三人のうち、震えていた令嬢が真っ青になって倒れるが、ユリウスがすぐに治癒魔法で回復させた。
 逃がすつもりはないようだ。
 そしてエミーラも、彼女に負けないほど青ざめている。
 ここは生徒会室のようにスクリーンはないが、ユリウスは振り返り、黒板を見てこれでいいか、と呟いた。