しづき



「ぼくがどれだけの覚悟で汐月を監禁したと思ってるの?1ヶ月、絶対に誰にも邪魔されないよーにって、何年も前から綿密に準備してきたんだから」



怖いくらいまっすぐな瞳が私を貫く。



抑えられた声のトーンにひた隠された強い執念がひしひしと感じられた。



「へんな希望は捨てな。どう足掻いたってぼくからは逃げられないんだから」


「……」


「ぼくのそばにいればいいんだよ。汐月はすべてはぼくだけのもの」



白は私の頬をふわりと包み込む。



「まー、もし逃げるんだったらぼくを殺してからのほうがいいかもね」


「……」


「じゃないとぼく、生きてるかぎり汐月のこと探し続けるから」



意思なく指先が震えた。



「…あなたなら死んでも追いかけてきそうですけどね」


「ふふ、わかってるね。さすがぼくの汐月」



コツンと額をくっつけては無邪気に笑う白。



言動の温度差が激しすぎてまったくついていけない。



潜在的な恐怖に駆られる。