しづき



「やめてほしーなら手どかしな」


「ひゃっ」



ついにはペロリと舐められる。



驚いた私は反射的に手を顔から離してしまった。



「汐月のかわいーおてて確保。顔真っ赤にしちゃって、なに考えてんの?」



私の両手をいとも簡単に捕らえた白。



探るような瞳がきらりと光った。



「べ、べつに…」


「べつに?カラダに聞いてみよーか?」


「へ、へんたい…っ」


「へんたいは汐月でしょ?」赤くなるよーなこと考えてさ」



意地悪な表情で言うと、白は「あ」となにかに気がついた様子で目を瞬かせた。



そしてひときわ人の悪い笑みを浮かべて



「わかった。昨日のことでしょ」


「っ…」



目を逸らしても遅かった。